■周期3はカオスを意味する(その14)
周期倍分岐は2次写像だけの性質ではなく,たとえば,
xn+1=rsinπxn
でも生じ,実際のところ,どのような単峰写像が反復されたとしても,同一の収束半径
(λn+1−λn)/(λn−λn-1)→4.6692・・・
が出現する.
ここでは,円筒面(0≦x≦<π,−∞<y<∞)で,定義された面積保存写像
yn+1=yn+rsinπxn,xn+1=xn+yn+1 (xmod2π)
を考える.
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【1】不変曲線の崩壊とカオスの海
このとき,円筒面を1周する2つの周期軌道が存在する(不変曲線).
[1]回転数ω=1/φの準周期的軌道が構成する不変曲線と回転数1−ω=1/φ^2の準周期的軌道が構成する不変曲線は同様の性質をもつ.
[2]回転数ω=1/φに収束する
{pn/qn}={1/1,1/2,2/3,3/5,5/8,8/13,・・・}
と用意して,周期倍分岐を起こす臨界値rを求め,臨界値が集積する値を不変曲線が崩壊する値と定義すると
r=0.97163540631
が得られる.
周期倍分岐は2次写像でも,面積保存写像でも生じるか,不変曲線が崩壊してできるカオスの海は,面積保存写像でしか生じないとのことである.
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