■学会にて(直観幾何学研究会2019,その13)
懸案の予想
p=±1(mod5)のとき,f(p)=p−1
p=±2(mod5)のとき,f(p)=2p+2
を証明してみましょう.
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これを示すには,
Ff(p)=0,Ff(p)+1=1
が成り立つことをいえばよいのですが,p=±1(mod5)のとき,x^2=5を満たす元cが有限体Fpのなかにありますから,
Ff(p)=Fp-1
=1/c[{(1+c)/2}^(p-1)−{(1−c)/2}^(p-1)]
ここで,フェルマーの定理により,有限体Fpのどんな元も
a^(p-1)=1 (p乗すると元に戻る)ですから,
Ff(p)=Fp-1=1/c(1−1)=0
また,
Ff(p)+1=Fp
=1/c[{(1+c)/2}^p−{(1−c)/2}^p]
=1/c[{(1+c)/2}−{(1−c)/2}]
=1/c・c
=1
が示されました.
一方,p=±2(mod5)のとき,有限体Fpの中に根をもちませんから,一般項は
Fn =1/√5[{(1+√5)/2}^n−{(1−√5)/2}^n]
とまったく同じ式で与えられます.
ここで,[]の中を展開しますが,二項係数pCiは常にpで割り切れること,有限体Fp^2の元a+b√5(a,bは有限体Fpの元)に対して
(a+b√5)^p=a−b√5
となることより,
{(1+√5)/2}^(2p+2)=(3+√5)^(p+1)/2^(p+1)
=(3+√5)^p(3+√5)/4
=(3−√5)(3+√5)/4=1
まったく同様にして
{(1−√5)/2}^(2p+2)=1
より,
Ff(p)=F2p+2=0
さらに,
Ff(p)+1=F2p+3
=1/√5[{(1+√5)/2}^(2p+3)−{(1−√5)/2}^(2p+3)]
=1/√5[{(1+√5)/2}−{(1−√5)/2}]
=1
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