■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その81,杉岡幹生)

 今回は、下記のζ(2)の分岐構造のうち『8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。』を確かめます。これは(その78)で略してしまったものですが、やはりここで示しておきます。

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 ζ(2)は、2分割の分身たちに分かれる。

 2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。

 4分割の分身たちは、8分割の分身たちに分かれる。

 8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。・・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 ζ(2)は、3分割の分身たちに分かれる。

 3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。

 6分割の分身たちは、12分割の分身たちに分かれる。・・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 ζ(2)は、5分割の分身たちに分かれる。

 5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる。

 10分割の分身たちは、20分割の分身たちに分かれる。・・・・・

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 あるいは・・と、素数を起点として無限に倍々ゲームで分岐していく。逆に無限の彼方から見れば・・⇒32分身⇒16分身⇒8分身⇒4分身⇒2分身⇒ζ(2) などとなっている。

 厳密には予想ですが、こんなふうになっています。

(注記)例えば「3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。」は、精密にいうと「ζ(2)3分割の分身たちは、ζ(2)6分割の分身たちに分かれる。」ということです。略して書いているので、ご注意ください。

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それでは、今回は8分割の分岐構造を見ることにします。準備としてまず(その15)のZ(2)8分割の結果と、Z(2)16分割の結果を示します。

Z(2)16分割(つまりζ(2)16分割)は、ここで初めて示しました。綺麗な秩序を味わってください。

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 < Z(2)8分割は(その15)から抜粋 >

  Z(2)=1 +1/3^2 +1/5^2 +1/7^2 +1/9^2 +1/11^2 +・・=(3/4)ζ(2)=π^2/8

   Z(2)は本質的にζ(2)に等しいものです。

■Z(2)8分割

C1 = 1 +1/31^2 +1/33^2 +1/63^2 +1/65^2 +1/95^2 + ・・ =(π/32)^2 /{cos(15π/32)}^2

C2=1/3^2 +1/29^2 +1/35^2 +1/61^2 +1/67^2 +1/93^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(13π/32)}^2

C3=1/5^2 +1/27^2 +1/37^2 +1/59^2 +1/69^2 +1/91^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(11π/32)}^2

C4=1/7^2 +1/25^2 +1/39^2 +1/57^2 +1/71^2 +1/89^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(9π/32)}^2

C5=1/9^2 + 1/23^2 +1/41^2 +1/55^2 +1/73^2 +1/87^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(7π/32)}^2

C6=1/11^2 +1/21^2 +1/43^2 +1/53^2 +1/75^2 +1/85^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(5π/32)}^2

C7=1/13^2 +1/19^2 +1/45^2 +1/51^2 +1/77^2 +1/83^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(3π/32)}^2

C8=1/15^2 +1/17^2 +1/47^2 +1/49^2 +1/79^2 +1/81^2 +・・=(π/32)^2 /{cos(π/32)}^2

  C1 +C2 +C3 +C4 +C5 +C6 +C7 +C8=Z(2)=π^2/8 となる。

■Z(2)16分割

D1 = 1 +1/63^2 +1/65^2 +1/127^2 +1/129^2 +1/191^2 + ・・ =(π/64)^2 /{cos(31π/64)}^2

D2=1/3^2 +1/61^2 +1/67^2 +1/125^2 +1/131^2 +1/189^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(29π/64)}^2

D3=1/5^2 +1/59^2 +1/69^2 +1/123^2 +1/133^2 +1/187^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(27π/64)}^2

D4=1/7^2 +1/57^2 +1/71^2 +1/121^2 +1/135^2 +1/185^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(25π/64)}^2

D5=1/9^2 +1/55^2 +1/73^2 +1/119^2 +1/137^2 +1/183^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(23π/64)}^2

D6=1/11^2 +1/53^2 +1/75^2 +1/117^2 +1/139^2 +1/181^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(21π/64)}^2

D7=1/13^2 +1/51^2 +1/77^2 +1/115^2 +1/141^2 +1/179^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(19π/64)}^2

D8=1/15^2 +1/49^2 +1/79^2 +1/113^2 +1/143^2 +1/177^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(17π/64)}^2

D9=1/17^2 +1/47^2 +1/81^2 +1/111^2 +1/145^2 +1/175^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(15π/64)}^2

D10=1/19^2 +1/45^2 +1/83^2 +1/109^2 +1/147^2 +1/173^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(13π/64)}^2

D11=1/21^2 +1/43^2 +1/85^2 +1/107^2 +1/149^2 +1/171^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(11π/64)}^2

D12=1/23^2 +1/41^2 +1/87^2 +1/105^2 +1/151^2 +1/169^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(9π/64)}^2

D13=1/25^2 +1/39^2 +1/89^2 +1/103^2 +1/153^2 +1/167^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(7π/64)}^2

D14=1/27^2 +1/37^2 +1/91^2 +1/101^2 +1/155^2 +1/165^2 +・・=(π/64)^2 /{cos(5π/64)}^2

D15=1/29^2 +1/35^2 +1/93^2 +1/99^2 +1/157^2 +1/163^2 + ・・=(π/64)^2 /{cos(3π/64)}^2

D16=1/31^2 +1/33^2 +1/95^2 +1/97^2 +1/159^2 +1/161^2 + ・・=(π/64)^2 /{cos(π/64)}^2

  D1 +D2 +D3 +D4 +D5 +D6 +D7 +D8 +D9 +D10 +D11 +D12 +D13 +D14 +D15 +D16=Z(2)=π^2/8 となる。美しい秩序から成り立っていますね!

念のため、Excelマクロでも上記全式D1〜D16の級数が右辺値に収束することを確認しました。

 導出方法は、いつものタンジェント部分分数展開式に31/32,29/32,27/32,25/32,23/32,21/32,19/32,17/32,15/32,13/32,11/32,9/32,7/32,5/32,3/32,1/32を代入すると、それぞれD1〜D16が導出されます。

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 上記の結果から「8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる」ことが言えるのですが、見てみましょう。 

 どうなっているかというと、次のようになっています!

  C1=D1 +D16  ----@

  C2=D2 +D15  ----A

  C3=D3 +D14  ----B

  C4=D4 +D13  ----C

  C5=D5 +D12  ----D

  C6=D6 +D11  ----E

  C7=D7 +D10  ----F

  C8=D8 +D9   ----G

  きれいな秩序から成り立っています。級数での成立は簡単にわかります(眺めればわかる)。

 また右辺値での成立も(級数の成立から自明ではありますが)、次のようにすれば容易に確かめられる。

三角関数において次式が成り立つ。

 1/{cos(π/2 -2x)}^2 =(1/4)[1/{cos(π/2 -x)}^2 +1/{cos(x)}^2]

 このxにπ/64、3π/64、5π/64、7π/64、9π/64、11π/64、13π/64、15π/64を代入することで、@〜Gの右辺値での成立を確かめることができます。

 以上より『8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。』が確認できました。

 これまでに確認できたのケースをまとめると、次のようになります。

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 ζ(2)は、2分割の分身たちに分かれる。

 2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。

 4分割の分身たちは、8分割の分身たちに分かれる。

 8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。

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 ζ(2)は、3分割の分身たちに分かれる。

 3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。

 6分割の分身たちは、12分割の分身たちに分かれる。

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以上。(杉岡幹生)

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