■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その76,杉岡幹生)
< ゼータ関数の背後に潜む無限階層の分岐構造 >
(その72)で見たように「分身の分割は可能」とわかりました。
その”分身の分割”ということを考慮に入れると、ゼータの背後には、フラクタル的に無限に続く分岐構造(あるいは入れ子構造)があることがだんだんとわかってきました。
その新事実まで考えると、上記で示したこれまでの分割の結果表は(注記)がないと正しいとは言えません。そのため今回(注記)を加えたというわけです。その限定した条件下で成り立つ予想や問題となります。(そんな条件を外すと、以下の事実の観点から、ゼータはもっと多様な分割が可能です。)
さて、その分岐構造ですが、それは「AはBに分かれ、BはCに分かれ、CはDに分かれ・・」という感じで延々と続いていく枝分かれ構造のことです。
ζ(2)を例にとれば、次のようになっています。
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ζ(2)は、2分割の分身たちに分かれる。
2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。
4分割の分身たちは、8分割の分身たちに分かれる。
8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。 ・・・・・
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あるいは、次のようにもなっています。
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ζ(2)は、3分割の分身たちに分かれる。
3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。
6分割の分身たちは、12分割の分身たちに分かれる。 ・・・・・
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このような面白い構造となっているのです! 上記を逆転した形で述べると、次のようにも表現できる。
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ζ(2)は、2分割の分身たちから作られる。
2分割の分身たちは、4分割の分身たちから作られる。
4分割の分身たちは、8分割の分身たちから作られる。
8分割の分身たちは、16分割の分身たちから作られる。 ・・・・・
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ζ(2)は、3分割の分身たちから作られる。
3分割の分身たちは、6分割の分身たちから作られる。
6分割の分身たちは、12分割の分身たちから作られる。 ・・・・・
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このような倍々ゲームが延々と続いていくのです。これは”無限に続く分岐構造”とも”無限階層の入れ子構造”ともいえるでしょうか。
もっと細かく見ると、美しい秩序から上記の構造ができ上がっていることが見えてきます(それはすごい秩序!)。
結局、『n分割の分身たちは、2n分割の分身たちに分かれる』あるいは『n分割の分身たちは、2n分割の分身たちから作られる』となっている。
もしかしたら、もっと別の変化もあるかもしれませんが、だいたいこんな感じになっています。
こんな秩序が出るのも際立った対称性がゼータの背後にあるからです。その対称性のおかげで綺麗な秩序が生み出されていきます。
この『n分割の分身たちは、2n分割の分身たちから作られる』という事実を、まずζ(2)ではかなりの部分まで確かめました。これからその素晴らしい構造を紹介できたらと思います。
以上。(杉岡幹生)
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