■マイ未解決問題2018(その11)
私の理解に誤りがあったようだ.スターン・ブロコット数列は可能なあらゆる分数を並べた「木」であり,自然界でみられる葉序の分数はこの木の特定の枝(数列)にあたる.なぜ特定の枝のみがみられるのか,どういう意味でその枝が特別なのかというのが,葉序の物理学の問題になる.
[Q]初期値を[0/1,1/2]としたスターン・ブロコット数列の場合,平均値がα0=1/φ^2に収束するだろうか?
ではなく,
[Q]初期値を[0/1,1/2]としたスターン・ブロコット数列で,フィボナッチ関係にしたがった特別の枝を選んだ場合,平均値がα0=1/φ^2に収束するだろうか?
というのが正しい問題である.
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[A]フィボナッチ数列{Fn}
1,1,2,3,5,8,13,21,・・・
では,直前の2つの数を足したものがその生成規則となっているが,数列の隣り合う2項の比が黄金比になることはよく知られている.
{Fn/Fn+1}=1/1,1/2,2/3,3/5,5/8,8/13,13/21,・・・→1/φ
葉序では左回り2/3回転は右回り1/3回転に等しいという意味で,1に対する補数をとると,
0/1,1/2,1/3,2/5,3/8,5/13,8/21,・・・
これはひとつおきの2項の比{Fn-1/Fn+1}であるが,1に対する補数であるから,
1+φ=φ^2,1/φ+1/φ^2=1
より,1/φ^2に収束することがわかる.
0/1,1/2,1/3,2/5,3/8,5/13,8/21,・・・→1/φ^2
この分数列を{fn}で表すと,n→∞のとき,
fn→1/φ^2
であるが,平均値となる数列も
{(f1+f2+・・・+fn)/n}→1/φ^2
に収束するというのが答えである.
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[雑感]これ自体はトリビアルな解であるが,{(f1+f2+・・・+fn)/n}の収束速度は{fn}より遅くなるだろう.
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