■学会にて(形の科学会・その3)
山口康之氏(東京理科大学・数学体験館,東京都新宿区神楽坂1-3)に四面体の変身模型の製作を依頼.
[1]サマーヴィル四面体←→体積0の四面体
[1]AB=BC=CD=1 [1]AB=BC=CD=1
[2]AC=BD=2/root3 [2]AC=BD=root2
[3]AD=1 [3]AD=1
に変身するという模型である.1辺の長さが2/root3→root2
サマーヴィル四面体「←」体積0の四面体変身模型を作って鑑賞してみたが,折りかたまれた状態から見事に三角柱に変身した.
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しかしながら,この模型では三角柱が直立せず,斜め方向に伸びてしまう.三浦公亮先生から垂直に伸びる構造として正八面体でできた構造が考えられているとのお話を窺ったが,四面体でも垂直に伸びる構造は可能である.
[2]ヒル四面体(立方体の1/6の直角錐)←→体積0の平面四面体
[1]AB=BC=CD=1 [1]AB=BC=CD=1
[2]AC=BD=root2 [2]AC=BD=root2
[3]AD=root3 [3]AD=1
1辺の長さがroot3→1に変わりうるならば体積0の平面四面体となる.ヒル四面体には左右対掌体が存在するが,一方だけを用いると斜行正三角柱に,両方用いると直立する垂直二等辺三角柱変身させることができる(はずである).
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辺が棒状の四面体を想定しているが,さらに,可変量によっては以下のようなものができあがる.
[3]サマーヴィル四面体←→正四面体
[1]AB=BC=CD=1 [1]AB=BC=CD=1
[2]AC=BD=2/root3 [2]AC=BD=1
[3]AD=1 [3]AD=1
に変身するという模型である.2辺の長さが2/root3→1
サマーヴィル四面体は唯一の空間充填等面四面体であって,空間充填等面四面体から等面四面体同士の変身である.この変身前後で四面体の高さと内接球の半径が保存されている.正四面体からの最小変形によって,空間充填四面体になるという模型でもある.
[4]ヒル四面体(立方体の1/6の直角錐)←→正四面体
[1]AB=BC=CD=1 [1]AB=BC=CD=1
[2]AC=BD=root2 [2]AC=BD=1
[3]AD=root3 [3]AD=1
ヒルの直角錘はこのクラスの空間充填四面体のなかで,最大の体積をもっている.この変身では2辺の長さがroot2→1,1辺の長さがroot3→1にならなければならない.
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