■エジプト分数とエルデシュ予想(その2)

 11台の車のうち半分を長女に,1/4を次女に,1/6を三女に遺産相続させる.しかし,どのように分配すればよいかという問題がおきた.

 そこで,ある賢者が1台の車を貸し出しすることにした.12台の車のうち,長女が6台,次女が3台,三女が2台受け取り,車が1台残った・・・.

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 この問題は

  n/(n+1)=1/a+1/b+1/c

というエジプト分数の問題になっていて,上の話では

  n=11,a=2,b=4,c=6

が解となっている.

 もし,11台の車のうち半分を長女に,1/3を次女に,1/12を三女に遺産相続させるという問題であれば

  n=11,a=2,b=3,c=12

が解となる.

 一般に,有理数を単位分数の和に表現する問題

  m/n=1/x1+1/x2+・・・+1/xk

は多くの問題を派生させる.とくにおもしろいのは

  1/x1+1/x2+・・・+1/xk=1,x1<x2<・・・<xk

の場合である.

 グラハムはk>77に対して,異なる整数に分割することが常に可能であることを示した.

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 エルデシュとシュトラウスは方程式

  4/n=1/x+1/y+1/z

がn>1であるすべての正の整数について解をもつと予想しました(未解決である).

 シェルピンスキーは,有理数の単位分数への分解について

  5/n=1/x+1/y+1/z

は,2以上のあらゆる整数nについて整数解x,y,zをもつと予想しました(未解決である).

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