■オイラーのエラスチカからミウラ折りへ(その10)

 (その9)の証明では折り線の方程式を求めたが,いずれも三角形の重心が中線を2:1に内分するという性質を用いたものであるので,ギリシャ幾何学の範囲内で証明可能である.

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[1]三角形の3つの中線は一点で交わります.この交点が三角形の重心です.

[2]三角形の重心は中線を2:1に内分します.

 また,3点あるいはそれ以上の点が一直線上にあることを主張する定理は共線定理と呼ばれます.たとえば,三角形の外心と重心と垂心はその順番に一直線上に並んでいて,外心と垂心を結ぶ線分が重心によって1:2に内分されています.この共線はオイラー線と呼ばれています.

 フォイエルバッハの9点円(オイラー円とも呼ばれる)が三角形の内接円と傍接円の各々に接するなど,三角形のような簡単な図形が無数に未知の性質を有することはまことに不思議なことです.

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