■学会にて(京大数理解析研,その30)
自分の発表ではsupplementary appendixとして,高次元タイルの話をしたが,3次元タイルの話もしておきたい.単一の正多面体による空間充填パターンとしては,立方格子しかありませんから,立方格子を基本にして考えてみたい.
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[1]2×2×2の立方格子の中心に1辺の長さ√2の正八面体をおく(双対関係).各辺の中央にも正八面体をおくと,これは12×1/4=3個分の正八面体に相当する.また,各頂点とその周囲の3枚の面心を結ぶ8個の正四面体(1辺の長さ√2)を含む.正八面体:正四面体=1:2
[2]菱形12面体による空間充填.これは面心立方格子のボロノイ図形である.[1]から正四面体を外し,正八面体を均等に膨らませるとこの空間充填パターンができる.1辺の長さ1の立方体に高さ1/2の正四角錐を6個貼りあわせるあるいは1辺の長さ√2の正八面体に高さ√3/6の正三角錐を8個貼りあわせた図形とみることができる.
[3]切頂八面体による空間充填.これは体心立方格子のボロノイ図形である.
[4]台形菱形12面体(菱形6枚と等脚台形2:3:4:3,6枚)による空間充填.これは六方最密充填のボロノイ図形である.
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