■ベルトランのパラドックス(その1)
(Q)中心O,半径rの円の内部に任意の点Pをとるとき,
OP<r/2
である確率はいくらか?
これはベルトランの弦の問題(1889年)と呼ばれるものである.少なくとも3通りの解が考えられるが,これら3つの解はどれも一応もっともである.
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(A1)中心O,半径r/2の円の内部であるから1/4(無作為中点選択法)
(A2)点Pは半径上の点であるから1/2(無作為半径選択法)
(A3)点Pは半径を直径とする半円周上の点であるから1/3(無作為端点選択法)
ひとつの問題に対して幾通りもの違った解が導かれるのは驚きであって,ベルトランのパラドックスと呼ばれている.なぜ違った答えがでてきたのか,それは点分布のランダムネスの考え方の違いに基づいていることは明らかであろう.
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