■おもしろい曲線(その5)

 正方形の4つの頂点の1匹ずつ犬がいる.それぞれ,同じ速さで隣の犬を追いかけたとする.それぞれの犬はいつも前方にいる犬に向かって同じスピードで進む.4匹の犬を結ぶ図形は回転しながら次第に小さくなる正方形になり,元の正方形の中心で出会うことになる.

[Q]このとき犬のたどる軌跡は?

[A]等角らせん

 等角らせんとは

  r=a^θ   (あるいはr=aexpkθ)

により表される曲線で,動径をいつも一定の角度で横切るという特徴があり,対数らせんとも呼ばれています.

 昆虫には太陽光線に対して一定の角度を維持しながら飛ぶという習性があり,(太陽光線は平行光線とみなせるので日中は問題ないが)夏の夜,街灯や集蛾灯の回りをぐるぐる飛び回る虫の飛跡は等角らせんとなります.

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[Q]正方形の1辺の長さは30m,それぞれの犬は1m/sの速度で動くとする.犬達が正方形の中心で出会うのにどれくらいの時間がかかるか?

[A]等角らせんの伸開線と縮閉線は,もとの等角らせんと合同な等角らせんになる.犬の進む経路と正方形の1辺の長さは等しいからら,30秒.

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