■おもしろい曲線(その4)
対数らせんは,アルキメデスのらせんとは違って,一定の割合で間隔が開いていく.実際にみられる対数たせんの例として,オウムガイの殻がある.殻の中で成長するにつれて殻も伸びていき,成長しても浮力が一定に保たれるのである.
対数らせんの性質として
[1]中心点からどの方向に直線を引いたとしても,その直線と対数らせんが交わる角度はすべて等しい.
(証) r=aexpbθ
の動径ベクトルは
(x,y)=(aexpbθcosθ,aexpbθsinθ)
速度ベクトルは
(vx,vy)=(aexpbθ(bcosθ−sinθ),aexpbθ(bsinθ+cosθ)
である.
ここで,動径ベクトルと速度ベクトルのなす角は
cosφ=b/(b^2+1)^1/2
であるから,φはθによらず一定である.
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[2]中心点で最初の直線と直交する直線を引き,それを接線と交わるところまで伸ばすと,できあがった直角三角形の斜辺の長さは,その接点までの対数らせんの弧長に等しい.
等角らせんの縮閉線(各点での法線の包絡線)は再び等角らせんであることはよく知られている.それに較べ,「等角らせんを直線に沿って転がすと,等角らせんの原点は直線を描くが弧長は,原点を頂点とする直角三角形の斜辺の長さに等しい.」という性質はあまり知られていないようだ.この性質を使って,追跡曲線の長さを計算することができる(後述).
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