■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その18,杉岡幹生)
■杉岡予想
さて、(その17)に述べた予想を述べます。分割の結果を眺めていてこの予想に気づきました。上記分割の結果の右辺の三角関数の個所で、面白い規則性が出ているのです。
分子のsin式のsinにかかる係数を定数項も含めて足し合わせた値が、分母のcosにかかる係数に一致しているのです!
例えば、Z(6)2分割のA1は(π/8)^6 {2+11(sin(3π/8))^2+2(sin(3π/8))^4} /{15(cos(3π/8))^6}ですが、分子sin式中の2と11と2の和が、分母cosの係数15と等しくなっています。2 +11 +2=15です。
さらに、Z(8)2分割のA1は(π/8)^8 {17+180(sin(3π/8))^2+114(sin(3π/8))^4+4(sin(3π/8))^6} /{315(cos(3π/8))^8}ですが、分子sin式中の17と180と114と4の和が、分母cosの係数315と等しくなるのです。17 +180 +114 +4=315です!
これは偶然とは思えません。これがさらに高次のZ(10)、Z(12)・・、すなわちζ(10)、ζ(12)・・でどこまでも成り立っているのではないでしょうか?
予想として提示します。
『ゼータ分割に関する予想
ζ(2n)、L(2n-1)を分割した結果に関し、分子sin式におけるsin項の係数の和(定数項も含める)と、分母cosにかかる係数は一致するだろう。
ここで、nは1以上の整数。』
ゼータの美と調和を信じる者からすれば、”ぜったいに正しい”と思ってしまうのですが、もちろん証明はわかりません。
さらに、今回はまだ示していませんが、L(1)、L(3)、L(5)、L(7)、L(9)の分割でも上記の予想は成り立っています。ですからL(s)も予想に含めました。(L(1)、L(3)は報告済みですが、それはあまりに自明で面白くありません)
おそらく、ディリクレのL関数L(χ,s)全部で成り立っていると思いますが、そこまではまだ広げません。
計算の過程を追っていくと、分子の係数と、分母のcos係数の出現元が違っていると気づきます。すなわち、湧き出る泉が違っているのです。にもかわわらず、著しい関係をもっている。どうしてこんなことになっているのか私には皆目見当もつきません。
一見湧き出る泉が違っているように見えても、地下深くでつながっているに違いありません。 (杉岡幹生)
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