■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その6,杉岡幹生)

 (その4)^8のA,Bの値を求める際に、じつは次のC,Dも顔をのぞかせていたのに、ある勘違いから求め忘れていました。この値も出ましたので結果を記します。

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C=1/(1^8+1) + 3^2/(3^8+ 1) + 5^2/(5^8+1) + 7^2/(7^8+1) + ・・

D=1/(1^8+1) + 3^6/(3^8+1) + 5^6/(5^8+1) + 7^6/(7^8+1)+・・

この正体は、次となります。

C=K[(α-β){(s2α+sh2α)+2cαshα(sβshβ+cβchβ)

       +2sαchα(cβchβ-sβshβ)}

  -(α+β){(s2β+sh2β)+2sβchβ(cαchα-sαshα)

         +2cβshβ(cαchα+sαshα)}]

D=K[(α+β){(s2α+sh2α)+2cαshα(sβshβ+cβchβ)

       +2sαchα(cβchβ-sβshβ)}

  +(α-β){(s2β+sh2β)+2sβchβ(cαchα-sαshα)

         +2cβshβ(cαchα+sαshα)}]

 ここで、α=(π/√2)cos(π/8)、β=(π/√2)sin(π/8)です。sα、cα、shα、chαは、それぞれsinα、cosα、sinhα、coshαを表します。sinh、coshは双曲線関数です。またKは、K=1/[8*√2*{(cβchα+cαchβ)^2+(sβshα-sαshβ)^2}]です。

 数値検証もしましたが、正しいです。

C=0.50144687・・

D=0.73368351・・

の値に級数が収束していきます(左辺、右辺が一致)。

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 さて、A,Bも合わせてこれらの級数の求め方を簡単にまとめると、次の通りです。

次の二つのゼータの香り式のaに複素数i^0.5を代入します。

1/(1^4+a^2) + 1/(3^4+ a^2) + 1/(5^4+a^2) + 1/(7^4+a^2) + ・・

=α/(4a^2)(sinhα - sinα)/(coshα + cosα)

1/(1^4+a^2) + 3^2/(3^4+ a^2) + 5^2/(5^4+a^2) + 7^2/(7^4+a^2) + ・・

=α/(4a)(sinhα + sinα)/(coshα + cosα)

ここで、α=π√(a/2)です。

すると、次の4つの級数が顔をのぞかせ、それらの間で連立方程式がたちまして、それを解くと、それぞれの値がうまい具合に求まるという手順になります。

1/(1^8+1) + 1/(3^8+ 1) + 1/(5^8+1) + 1/(7^8+1) + ・・

1/(1^8+1) + 3^2/(3^8+ 1) + 5^2/(5^8+1) + 7^2/(7^8+1) + ・・

1/(1^8+1) + 3^4/(3^8+1) + 5^4/(5^8+1) + 7^4/(7^8+1)+・・

1/(1^8+1) + 3^6/(3^8+1) + 5^6/(5^8+1) + 7^6/(7^8+1)+・・

以上。   (杉岡幹生)

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