■パラメータ解? (その61)
[参]小林吹代「ピタゴラス数を生み出す行列のはなし」ベレ出版
にピタゴラス三角形ばかりを生成し,しかもすべて網羅する行列
[−1,−2,2]
P=[−2,−1,2]
[−2,−2,3]
が紹介されています.驚くべきことに行列Pが発見されたのは50年くらい前のことなのだそうです.
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【1】ピタゴラス三角形の生成行列
行列Pの逆行列P^-1はP自身で,
P^-1=P,|P|=−1
になっています.
ここでaを奇数,bを偶数,cを奇数と約束し,(a,b,c)=(4,3,5)ではなく,(3,4,5)を選ぶことにします.そして(a,b,c)=(3,4,5)’を第1象限上のベクトルとみると,A=(−3,4,5)’は第2象限,B=(−3,−4,5)’は第3象限,C=(3,−4,5)’は第4象限上のベクトルとみなすことができます.このとき,
PA=(5,12,13)’
PB=(21,20,29)’
PC=(15,8,17)’
はすべてピタゴラス三角形になります.
変換後のピタゴラス三角形は変換前より大きくなりますから,最小の既約ピタゴラス三角形として(a,b,c)=(3,4,5)を選ぶとすべての既約ピタゴラス三角形をもれなくつくり,しかも既約ピタゴラス三角形以外はつくらない変換になっていることが証明されます.
なお,この変換の裏には</P>
[m’]=[1,−2][m]
[n’] [0,−1][n]
が潜んでいます.
R=[1,−2]
[0,−1]
とおくと,
R^-1=R,|R|=−1
を満たします.
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