■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(杉岡幹生)

 詳細はまた報告しますが、いろいろと実験をすることで、ある無限級数(その130〜168)のゼータの香りの漂う公式の背後にある構造がすこし見えてきたので、概要を報告します。

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 ゼータの香り公式は、様々な変形バージョンがあるのですが、ゼータ関連では次のものがもっとも基本的とわかってきました。

1/(1^2+a^2) + 1/(3^2+ a^2) + 1/(5^2+ a^2) + ・・

=(π/(4a))・(e^(aπ)-1)/( e^(aπ)+1)    -----@

1/(1^2+a^2)^2 + 1/(3^2+ a^2)^2 + 1/(5^2+ a^2)^2 + ・・

=(π/(8a^3))・(e^(2aπ)-2aπe^(aπ)-1)/(e^(aπ)+1)^2 ---A

1/(1^2+a^2)^3 + 1/(3^2+ a^2)^3 + 1/(5^2+ a^2)^3 + ・・

=(π/32){3(e^(2aπ)-2aπe^(aπ)-1)/(a^5・(e^(aπ)+1)^2)

 - 2π^2・(e^(2aπ)-e^(aπ))/(a^3・(e^(aπ)+1)^3)}---B

1/(1^2+a^2)^4 + 1/(3^2+ a^2)^4 + 1/(5^2+ a^2)^4 + ・・

=略                      -----C

(注記)@をaで微分することで次々と高次が出ます。

 一番最初に送った香り公式よりも@の方がより基本的と考えます。

これらのaにi/2などの複素数を代入することで、どんどんとζ(s)やL(s)の特殊値

  ζ(2)=π^2/6, ζ(4)=π^4/90 や L(1)=π/4, L(3)=π^3/32

が出ます。どんなふうに出るかと言いますと、次のようになります。

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@でa=i/2とすると、 L(1)=π/4が求まる。

Aでa=i/2とすると、ζ(2)、L(1)が出る。

@でL(1)がπ/4とわかったのでζ(2)=π^2/6と求まる。

Bでa=i/2とすると、L(3)、ζ(2)、L(1)が出る。

ζ(2)とL(1)の値が上で求まっているので、L(3)=π^3/32が求まる。

Cでa=i/2とすると、ζ(4)、L(3)、ζ(2)、L(1)が出る。

L(3)、ζ(2)、L(1) が既に求まっているので、ζ(4)=π^4/90と求まる。

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 こんなふうにして規則的に求まっていきます。ですから、L(5)にしても、^5の式で出ることになります。このようにゼータ同士が協力しあって高次の値を生み出していく形になっています。

 ちなみに、もっとダイレクトにやろうと思えば、

@でaを0に近づけると、ζ(2)=π^2/6が直接出ます。(ロピタルの定理使用)

Aでaを0に近づけると、ζ(4)=π^4/90が出ます。

しかし、このダイレクトの方法よりも、複素数代入の方がゼータの協調関係や

裏側の構造がわかってよりよいと思います。以上、ご報告まで。やはりゼータの世界は調和に満ちています。  (杉岡幹生)

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