■コラッツ予想(その14)

  3n+1=2^m

は3の倍数と2のベキが出現しているが,それと類似の式を紹介したい.

 ある数M,Nの自分自身を除く約数の和が相手の数になる数を親和数と呼びます.220(=2^2・5・11)と284(=2^2・71)はその最小のペアです.

  220=1+2+4+71+142

  284=1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110

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【1】イブン・クッラの公式

 p=3・2^n-1−1

 q=2p+1

 r=pq+p+q

がすべて素数ならば,M=2^npq,N=2^nrのペアは親和数になる.

 pが素数で,かつ,2p+1が素数であるから,pはソフィー・ジェルマン素数である.

  n=2→(220,284)

  n=4→(17296,18416)   (フェルマー)

  n=7→(9363584,9437056)   (デカルト)

なお,この公式で小さい方は四面体数になる.

 この公式ですべての親和数を求められるわけにはない.その組み合わせのひとつにすぎないのである.(1184,1210)は2番目に小さい親和数,(2620,2924)は3番目の親和数,(5020,5564)は4番目の親和数であるが,この公式では見つけられない.

 (12285,14595),(1175265,1438983)は奇数の親和数.

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【2】フェルマーの構成法

  2^nabと2^ncは友愛数のペアである.

  a=3・2^n−1(素数)

  b=3・2^n-1−1(素数)

  c=9・2^2n-1−1(素数)

 p=b=3・2^n-1−1とおくと

  q=2p+1=3・2^n−1=a

  r=pq+p+q=9・2^n-1−3・2^n−3・2^n-1+1+3・2^n-1−1+3・2^n−1=9・2^2n-1−1=c

であるから,これはイブン・クッラの公式と同じものである.

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【3】パガニーニの発見

 a=3・2^n−1

 b=3・2^n-1−1

 c=9・2^2n-1−1

 a,b,cがすべて素数となる整数nが存在すれば,a・b・2^nとc・2^nは親和数になる.

(n=2)→(a,b,c)=(11,5,71)→(220,284)は親和数

(n=4)→(17296,18416)は親和数・・・アルバンナが発見,フェルマーが再発見

(n=7)→(9363584,9437056)は親和数・・・デカルトが発見

 ところが,パガニーニはこの公式では発見できない(1184,1210)が2番目に小さい親和数であることを発見した.

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