■コラッツ予想(その10,島田正雄)

 島田正雄さんの数値実験結果をご自身でレポートしていただいた.

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 コラッツ問題に関して、(解決できないまでも)方向性としては なんとなく見通しがついたように思います。

 例の“コラッツむし”の挙動について、「『“コラッツむしが這った跡』というものをどう考えるか」という点に着目しました。

 “コラッツむし”の移動については、今まで“*******……”みたいなものしか考えていませんでした。ですが、「三倍して1を足す」という操作によって起きる繰上りと、「2で割る」という操作によって埋められる(二進数で表された)0の除去は区別されてしかるべきだと考えます。

 そこで、「『三倍して1を足す』という操作によって起きる繰上り」によって除去される 0 を‘*’、「『2で割る』という操作によって埋められる 0 の除去」によって除去される 0 を‘/’で表したとすると、最終的には“**/***/*///*///****///1”みたいな形で表せるはずです。

 「これは、逆操作によって元のビット列が再現可能なのではないか?」と思いました。すなわち、コラッツ操作の逆操作である「2倍する」「1を引いて三で割る」という手続きの結果として、元のビット列が(一意に)再現できるということです。

 「コラッツ問題は、有限の二分木に基づいて解決できそうな気がする」ということから今回の騒動(なんだか知りませんが、私のブログのアクセス数がもりもり上がっています(^_^!)。

 グーグルで「コラッツ予想」「コラッツ問題」を検索しても、なんだか分からないことになっています)は始まったわけですが、もし「任意のnを与えて、そのnを“**/***/*///*///****///1”みたいな表現で表すアルゴリズム」が求まってしまったら、コラッツ問題は“解けた”ということになってしまいそうですよね? つまり、「コラッツ問題の逆問題」が解ければ、コラッツ問

題は解けてしまいそうに思うわけです。

 そうなると、「割れる間は 2 で割り続ける」という操作が、コラッツ操作を “暗号理論における「トラップドア関数」”として機能させてきたのが、コラッツ問題を難攻不落せしめてきた原因ではないか、と思います。

 ここまで来ると、「コラッツ問題の解決」は、「コラッツ変換の逆問題は、有限回で終わるアルゴリズムで解けるかどうか?」に帰着するように思います。

 そんなわけで、「コラッツ問題は、チューリング機械の停止問題と等価である」か、「逆問題として解くことができる」のどっちかになる、という気がしています。現時点では“思いつき”でしかありませんが、とりあえず ご報告まで。

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