■コラッツ予想(その9,島田正雄)

 島田正雄さんご自身でアイデアの詳細を解説していただいた.

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 コラッツ予想(その4)で、私(島田正雄)の「二分木として考えれば」云々の話が紹介されておりました。

 その後、冷静に考えてみたのですが、「コラッツ問題がなかなか解けないのは、ひょっとしてアプローチを間違えていたせいかもしれない」ということに思い至りました。

 つまり、コラッツ予想を有限オートマトンと考えると、なんらかの前進があるのではないか、と考えております。

 「三倍して1を足す」ということは、「n+(2n+1)する」ということなわけです。数直線を考えて、向かって右が「上位」になるように、二進数を表すビットパターンを考えます。先頭(左端)と末端(右端)はオンです。これをオンを●、オフを〇で表します。

 たとえば、

 ●〇●〇●〇〇●

は、1+4+8+64 ですので、77になります。これを右(→)にシフトして、空いた左端に●を埋めます。すると

 ●●〇●〇●〇〇●

になります。この二つを算術的に加算すると、

 〇〇〇〇〇〇●●●

になります。この左側のオフビットを除去する操作は「二で割る(二の冪乗で割る)」操作です。

 したがって、コラッツ予想は「1と1の間に挟まれたビット列に対して、「1ビットシフトして先頭にオンビットを足したものを、元のビットパターンとの間で算術加算し、先頭部分のオフビットをクリアする。」ことを続けると、最終的にオンビット一個になる。」というのと等価な問題である、ということです。

 これをコンピュータでシミュレーションしてみると、「シマミミズの匍匐前進(正確には、先頭が左なので、後ろ向きです。ですから「匍匐後退」かもしれません)」のようで、先頭から出たビットが黒い部分を玉衝きのように抜けていって、結果的に縞の数が減ってゆくような挙動をしてゆきます。

 そこで、「ビット列から何かのパリティのような“量”を計算して、それが操作によって単調減少することを示すような形で、コラッツ予想は解決されるのではないか?」というようなことを考えました。当分は数値実験で様子を見てみようと思います。 (島田 正雄)

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