■カルダノの公式(その9)

  y^3=x^2+2

の正整数による唯一の解は(x,y)=(5,3)であるというフェルマーの主張に対して,仮想的な整数を導入して,以下のような証明を与えたのはオイラーである.

(証)x^2+2=(x+i√2)(x−i√2)

(x+i√2)=(a+bi√2)^3

=a^3+3a^2bi√2−6ab^2−2b^3i√2

=(a^3−6ab^2)+(3a^2b−2b^3)i√2

=a(a^2−6b^2)+b(3a^2−2b^2)i√2

(x+i√2)→a(a^2−6b^2)=x,b(3a^2−2b^2)=1

b=±1とすると,(3a^2−2)=±1→b=1のときa=±1

(1,1)→a(a^2−6b^2)=−5=x   (NG)

(−1,1)→−a(a^2−6b^2)=5=x  (OK)

さらにy=3.よって,フェルマーの主張が示された.

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 この問題は

  a=5+i√2,|a|^2=27

  b=1+i√2,|b|^2=5

  5+i√2=(1+i√2)q+r,|r|^2<5

すなわち,1+i√2の倍数からなる長方格子点

  0,1+i√2,2(1+i√2),3(1+i√2),・・・

  3,(2−i√2)(1+i√2),・・・

  6,・・・

から5+i√2に最も近い格子点を選ぶという問題となっている.

 答えは(2−i√2)(1+i√2)=4+i√2であって,q=(2−i√2),r=1が得られる.|r|<|b|が成り立つ.

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