■コラッツ予想(その5)
[1]ユークリッドの互除法アルゴリズムは必ず終結する.(大,小)→(小,大ー小)を繰り返せば,たとえば,
(13,8)→(8,5)→(5,3)→(3,2)→(2,1)→(1,1)
のような対の列が得られる.最大公約数がどうして得られるかというと数dが2つの数aとbを割り切るならば,dは差a−bを割り切るし,差をとれば必ず大きい数は減少し続けるので,このアルゴリズムは必ず終結するのである.
[2]エジプト分数では最大の単位分数を繰り返し取り除くというフィボナッチのアルゴリズムは必ず終結することが知られている,
3/4=1/2+1/4
2/3=1/2+1/6
5/7=1/2+1/7+1/14
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【1】アルゴリズムは破綻しない・・・「エジプト式単位分数」
分子が1である分数を単位分数と呼びます.古代エジプト人は分数を表すのに,互いに異なる単位分数の和として表しました.たとえば,5/7は
5/7=1/7+1/7+1/7+1/7+1/7
ではなく,互いに異なる単位分数の和ですから,3つの単位分数を用いて
5/7=1/2+1/5/1/70
と書くことができます.
どんな分数でも相異なる単位分数の和として表現できることは,簡単に証明できます.それでは
(1)分数p/qを越えない最大の単位分数を求め,p/qから差し引き,それをp1/q1とする
(2)分数p1/q1を越えない最大の単位分数を求め,p1/q1から差し引き,それをp2/q2とする
(3)分数pi/qiを越えない最大の単位分数を求め,pi/qiから差し引き,それをpi+1/qi+1とする
という手順を繰り返せば,つねに単位分数表示が得られるでしょうか?
答えはyesで,このアルゴリズムは破綻しないことが知られています.もちろん,その表示の仕方はただ1通りです.
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単位分数の和としての表現は少なくとも1つは存在するのですが,しかし,単位分数表示は1通りとは限らず,たとえば,前述の5/7は
5/7=1/2+1/7+1/14
5/7=1/3+1/4+1/8+1/168
のように何通りも表し方があります.
2/(2n−1)という形の分数の相異なる単位分数の和による表現では,欲張り算法により<
2/(2n−1)=1/n+1/n(2n−1)
のように2個の単位分数を用いて表示できます.
2/3=1/2+1/6
2/5=1/3+1/15
2/7=1/4+1/28
2/11=1/6+1/66
2/23=1/12+1/276
はこの式に従っていますが,
2/9=1/6+1/18
2/13=1/8+1/52+1/104
2/15=1/10+1/30
2/17=1/12+1/51+1/68
2/19=1/12+1/76+1/114
2/21=1/14+1/42
は欲張り算法によるものではありません.
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