■漸化式と母関数(その23)
【1】ファン・デル・ヴェルデン予想
ファン・デル・ヴェルデンはパーマネントが最小であるn次の2重確率行列の決定問題を提示した.
n次の行列で成分aij≧0,行和=1,列和=1のとき,永久式の値≧n!/n^nである.等号はJnのときのみ成立する.
この予想は2人のロシア人Egorycev(Egoritsjev,1980年),Falikman(1981年)により独立にまったく別な方法で肯定的に証明された.
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【2】アダマール予想
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アダマールは「すべての成分の絶対値が高々1であるようなn×n行列で,行列式の絶対値が最大のものを求めよ」という問題を提示した.各成分が1か−1のn×n行列の行列式はn^n/2以下である.
アダマール行列予想とは「n=0(mod4)に対して,n次のアダマール行列が必ず存在する」というものである.完全解決には至っておらず,現在,存在のわかっていない最小のnはn=668である.
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