■中川の5円定理(その6)

 さらに問題を改編.

 大円(半径a),扇(半径b),小円(半径c)が下図のような位置にある(外側の円の半径を1とする,2a+b=2).それらの中心を結ぶ三角形は直角三角形である.(c円の中心はa円の中心とb扇の要を端点とする半円上にある.この場合,内接円の半径rはc円と同径になることは明らかである.)

 ただし,この問題では,c円はa円,b扇に接するものの,外円に接することは要求されていないことに注意.

cosθ=(c+a)/(a+b)

sinθ=(b+c)/(a+b)

tanθ=(b+c)/(c+a)

tanθ/2=sinθ/(1+cosθ)=(b+c)/(2a+b+c)

tanθ/2=(1−cosθ)/sinθ=(b−c)/(b+c)

が成り立つ.

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 中心を結ぶ三角形が直角三角形であるとき,内接円の半径rはc円と同径になることは明らかであるが,a円,b扇との関係も求めておきたい.

 ピタゴラスの定理より

  (a+b)^2=(b+c)^2+(c+a)^2

整理すると

  ab=c(a+b+c)

 一方,直角三角形の面積Sは

  S=1/2・(b+c)(c+a)

また,(直角三角形でなくても)

  S=1/2・r(2a+2b+2c)=r(a+b+c)

が成り立つから

  2r(a+b+c)=(b+c)(c+a)=bc+ba+c^2+ca

 ab=c(a+b+c)を代入すると

  2r(a+b+c)=2c(a+b+c)→r=c

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[Q]中心を結ぶ三角形が直角三角形であるとき,aの取り得る範囲を求めよ.

[A]前節より

  ab=c(a+b+c)

  c^2+(a+b)−ab=0

  c=[−(a+b)+{(a+b)^2+4ab}^1/2]/2

cをaで表すために,b=2−2aを代入すると

  c=[−(2−a)+{(2−a)^2+8a(1−a)}^1/2]/2

  c=[−(2−a)+{4+4a−7a^2}^1/2]/2

 4+4a−7a^2≧0より

a≧(−2±√30)/7=0.49675・・・

 {4+4a−7a^2}≧(2−a)^2はa≦1と同値であるから,

 (−2±√30)/7≦a≦1

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