■一関算額の問題
正月あけ早々,同僚のU嬢から「一関博物館,和算に挑戦」の問題を与えられた.恒例の年始行事となった.
楕円の接線がでてくる図形問題である.途中で因数分解できることに気づかず,苦戦したが,何とか解くことができた.
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[1]下の楕円の方程式を
x^2/c^2+y^2=1
とする.(第1象限にある)点(x0,y0)における接線の方程式は
x0x/c^2+y0y=1
この接線のy切片は1/y0であるから,二等辺三角形の高さは1/y0+1となる.
[2](第4象限にある)点(x1,y1)における接線で,[1]の接線と直交するものは
x1x/c^2+y1y=1と
y0(x−x0)−x0(y−y0)/c^2=0
が一致することから
x1^2=c^8y0^2/(x0^2+c^6y0^2)
y1^2=x0^2/(x0^2+c^6y0^2)
と計算される.
[3]上の楕円の方程式は
x^2+(y−c−1)^2/c^2=1
また,接点を(x2,y2)とすると
x2=|y1|,y2=x1+c+1
接線:x2x+(y2−c−1)(y−c−1)/c^2=1が(x0,y0)を通ることより
x0^2+c^2y0^2−c^2(c+1)y0=(x0^2+c^6y0^2)^1/2
[4]x0^2=c^2(1−y0^2)を代入して整理すると
(2c^2−c+1)y0^2−2c^2y0+(c−1)=0
y0={c^2−(c^4−(2c^2−c+1)(c−1))^1/2}/(2c^2−c+1)
=(c−1)/(2c^2−c+1)
が得られる.(ここで,因数分解できることに気づかないとあとの計算が大変になる.)
[5]y0’=−2c(c−2)/(2c^2−c+1)^2
c=2のとき,y0は最大値y0=1/7をとる.したがって,二等辺三角形の高さの最小値は1/y0+1=8となる.(あとは題意にあわせてスケール変換するだけ)
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