■フレームワークの幾何(その3)

【1】潰れない多面体

 ここまでが2次元正方グリッドの場合であるが,3次元立方グリッドの場合,面対角線を入れる,しかし,体対角線は入れないという条件で筋交い問題を拡張している.これは居住できる空間とするためには体対角線は邪魔であるという自然の要求に沿ったものである.

 さらに,立方体を平行多面体グリッドにも拡張することができるので,さらに拡張することができるが,高次元空間では平行多面体数が爆発(O(n^2!))するので,安易に手出しできないのである.

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【2】体積0の多面体

[Q]多面体の表面を切ったり伸縮したりせずに,折り目によって面の形を変形しながら連続的に平坦化せよ.

 紙パックのジュースを飲み終わったあと,側面を中央に押し込めば平坦化できる.反角柱の軸をずらしながら重ねた構造(PCCP)のチューハイ缶もそのような例のひとつである.

 これは多面体にextravertexとextraedgeを設ける問題と言い換えることができる.多面体にextravertex, extraedgeを設けて,そこをmountain, valley foldして多面体を折りたたむ問題は実用的な価値が高く,多くの人の研究テーマになっていた.その起源になっているのはドメイン,オルークの本であるから,多くの数学者の目に触れた結果であろう.

 この問題は所与のn点を連結する最短経路をつくるシュタイナー問題と関係があるのであって,より本質的なのはextraedgeではなく,extravertexである.

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