■リンゴの皮むき曲線について(その9)
【1】オイラー級数の螺線
原点をO,点P1を(1,0)とします.点P1において長さ1/2の垂線P1P2⊥OP1を立て点P2(1,1/2)とします.すると,OP2=√(1/1^2+1/2^2)となります.さらに点P2において長さ1/3の垂線P2P3⊥OP2を立てます.OP3=√(1/1^2+1/2^2+1/3^2)となります.これを繰り返せば,1,√(1/1^2+1/2^2),√(1/1^2+1/2^2+1/3^2),・・・,√(Σ1/k^2)が得られ,点P1,P2,・・・は螺線のような図形を作ります.
動径ベクトルOPkの長さは√(Σ1/k^2)になりますから,k→∞のとき, |OPk|→π/√6.また,
|OP1|+|P1P2|+・・・+|Pn-1Pn|=1+1/2+1/3+1/4+・・・→∞.
すなわち,オイラー級数の収束速度は非常に遅く,その結果,点Pkはゆっくり外向きの螺線を描きながら半径π/√6の極限円に限りなく近づきます.
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対数らせんやアルキメデスのらせんは発散するらせんであった.テオドロスのらせんの漸近挙動もアルキメデスのらせんに近づいていくことがわかっている.
それに対して,オイラーらせんにおいて,オイラー級数の収束速度は非常に遅く,その結果,点Pkはゆっくり外向きの螺線を描きながら半径π/√6の極限円に限りなく近づく収束するらせんである.
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