■リンゴの皮むき曲線について(その3)

 先日,職場の同僚の奥様がリンゴの皮むき大会で優勝したらしい.その果報を耳にした別の同僚が質問をぶつけてきた.

[Q]直径10センチのリンゴを何ミリ幅で皮むきすれば,リンゴの皮が3メートルに達するのか?

 この曲線がクロソイドで近似できることはよく知られている.仙台高専の海野啓明先生のレポートにしたがって,この問題を解いてみたい.

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[1]半径1の球の(z軸ではなく)経線(大円)を4N等分すると,皮幅dはd=π/(2N)

[2]海野啓明先生のレポートによると,北半球の曲線の全弧長は

  L=4N

であたえられる.また,2つの渦巻きの中心間距離は

  2(2πN)^1/2

で与えられるという.

[3]Nを一定に保ったまま,球の半径を変えるとする.Lは半径に比例し,dも半径に比例するであろう.

  L=4Nr,d=πr/(2N),4N=2πr/d

[4]センチ単位でスケールを統一すると

  L=4Nr=2πr^2/d,L=150,r=5

  d=2πr^2/L=50π/150=π/3・・・(?)

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[雑感]1センチ幅で,直径10センチ,半径10センチの円筒を皮むきするならば,皮の長さは30センチ・10=300センチになる.重円錐ならば150センチになる.どう考えても上述の結果はおかしい.

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