■おかあさんのための数学教室(その2)
このシリーズは,2人でじゃんけんした場合と3人でじゃんけんした場合,どちらの場合もあいこになる確率は等しい→不思議だ→納得がいかないというおかあさんのために始まったものである.
今回はまず,星型五角形(ダビデの星)を描いてみてほしい.星型正五角形である必要はない.
[Q]これには尖点が5カ所あるが,5カ所の尖点の内角の和は何度か?
[A]三角形の内角の和は180°である.このことさえ知っていれば尖点の内角の和が180°になることが証明できる.根気が必要になるが,自分で考えてみてほしい.
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ところで,正三角形に対角線はなく,正方形と正五角形の対角線の長さは1種類である.正六角形以上では対角線の長さが複数種類になる.
正方形の1辺の長さを1とすると対角線の長さは√2である.正五角形の1辺の長さを1とした場合,対角線の長さはφ=(1+√5)/2=1.618・・・となる.
正五角形の対角線を10本描くと星型正五角形が得られるが,その対角線は他の対角線によって3分される(3等分ではない).その交点は1:φ内分点になっているのであるが,高校生であれば三角関数(倍角・三倍角の公式)を使って計算することができる.中学生であれば補助線を引いて1:φ内分点になっていることを示すことができるが,どうしても2次方程式の解の公式が必要になる.
x^2−x−1=0 → x=(1+√5)/2
2次方程式の解の公式なしに黄金比を計算する方法はないと思われる.ところが,解の公式が中学校で教えられなくなって久しいという.私が中学生のころ「黄金比」は半ば常識であったが,いまとなっては非常識でよいということなのだろうか?
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[Q]正多面体の対角線の長さの種類と各々の本数を求めよ.
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