■王子の問題(その1)

 ルーパート王子が,与えられた立方体を通り抜ける最大の立方体を通り抜ける最大の立方体を求めよという問題を出した.つまり立方体の正方形状のトンネルを掘ってなるべく大きな立方体を通するわけであるから,立方体の最大正方形断面を求めよという問題と同値である.

 立方体の8個の頂点を(±1,±1,±1)とし,立方体の主対角線と平行ではない平面:x+y/2+z=0で切った切り口を求めると,

  (−1/2,−1,1)

  (−1,1,1/2)

  (1/2,1,−1)

  (1,−1,−1/2)

 これらは1辺の長さ3√2/2の正方形となる.1辺の長さを1にすると

  3√2/4=1.060660・・・

 これは立方体に1辺の長さより少し長く,いいかえるとこの少し大きい立方体が元の立方体を貫通するのである

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 [参]不思議おもしろ幾何学事典,朝倉書店

によると,ルーパート王子はイギリスのチャールズ1世の甥で,イギリス内戦のときは王党軍の指揮者であったという.すなわち,17世紀のイギリス軍隊の指揮者である一方,科学者としても活躍した.

 この問題を解いたのはニューランドで,ルーパート王子が問題を出してから100年以上も後のことだった.トンネルの軸はもとの立方体の主対角線と平行ではない.元の立方体の辺は1:3および3:13に内分されることになる.

 立方体が通過する際,立方体が入っていくところは八角形,出ていくところは別の八角形になる.合計10辺を通過することになり,通過しない辺は2辺ある.

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