■超ソフィー・ジェルマン素数? (その5)

 (その3)(その4)ではシェルピンスキー数,すなわち,q=2^kp+1(k≧0)という形の数において,あるきまったpを選んで,kを変えていき,すべて合成数となるようなpを探し出した.

 それに対して,aを底とするフェルマー・テスト,すなわち,gcd(a,n)=1となるある自然数aに対して,

  a^n-1=1  (modn)

がすべてのaに対して成り立つとき,nをカーマイケル数という.

===================================

【1】フェルマーの小定理

 pが素数であるならば,gcd(a,n)=1となる任意の自然数aに対して,

  a^p-1=1  (modp)

が成り立つ.

 この定理の対偶は,gcd(a,n)=1となるある自然数aに対して,

  a^n-1≠1  (modn)

となるならば,nは合成数である.

 たとえば,n=117,a=2の場合,

  2^7=128=11  (mod117)

  11^2=121=4=2^2  (mod117)

  116=7・16+4

より

  2^116=(2^7)^16(2^4)=11^16・2^4=2^16・2^4=2^20

=2^14・2^6=11^2・2^6=2^2・2^6=2^8=2^7・2=11・2=22  (mod117)

  2^116≠1  (mod117)→117は合成数である.(実際,117=3^2・13)

===================================

 しかし,フェルマーの小定理の逆は真ではない.たとえば,n=341,a=2の場合,341=11・31にもかかわらず

  2^340=1  (mod341)

となる.

(証)

  1023=341・3

  2^10=1024=1  (mod341)

より

  2^340=(2^10)^34=1  (mod341)

===================================

 それでも,n=341,a=3の場合,

  3^340≠1  (mod341)

となる.

(証)

  3^10=59049=56  (mod341)

  56^3=175616=1  (mod341)

より

3^340=(3^10)^34=56^34=(56^3)^11・56=56≠1  (mod341)

===================================