■両替問題(その5)
4点(0,0,0),(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)を頂点とする三角錐のn拡大の格子点の個数は,
Ln=(n+1)(n+2)(n+3)/6
となる.
ここでは,4種類の硬貨25セント,10セント,5セント,1セントを用いて,1ドルを両替する方法は何通りあるかを考えてみよう.
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【1】n=4の場合の両替問題
25q+10d+5n+p=100D=50N
のpを無視し,不等式
5q+2d+n≦20N
を満たす組(q,d,n)を調べればよい.
それに対応する格子直角三角錐は,4点(0,0,0),(2,0,0),(0,5,0),(0,0,10)で体積は50/3となる.また,
L=49,I=2,B=47
より,
LN=(50/3)N^3+(45/2)N^2+(53/6)N+1
4種類の硬貨25セント,10セント,5セント,1セントを用いて,1ドルを両替する方法は,N=2とおくと,242通りある.
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【2】n=4の場合の両替問題(その2)
25q+10d+5n+p=100D=50N
のpを無視し,不等式
5q+2d+n≦10N
を満たす組(q,d,n)を調べればよい.
それに対応する格子直角三角錐は,4点(0,0,0),(2,0,0),(0,5,0),(0,0,10)で体積は50/3となる.また,
L=49,I=2,B=47
より,
LN=(50/3)N^3+(45/2)N^2+(53/6)N+1
4種類の硬貨25セント,10セント,5セント,1セントを用いて,1ドルを両替する方法は,N=2とおくと242通りある.
また,これらの硬貨をそれぞれ少なくとも1つは使う両替の方法は,三角錐内部の格子点に対応する.n=3の場合は中央項の符号が反転したが,n=4の場合は中央2項の符号が反転する.
IN=(50/3)N^3−(45/2)N^2−(53/6)N+1
1ドルを25セント,10セント,5セント,1セントをそれぞれ少なくとも1つは用いて両替する方法は60通りあるというわけである.これくらいの数であれば,虱潰しに数え上げた方が着実であるといえるかもしれないが・・・.
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