■ベキ和の公式の整除性(その30)
一般に,pを素数,kをp−1で割り切れない正の整数とするとき,
1+1/2^k+1/3^k+・・・+1/(p−1)^k
の分子はpで割り切れる
=1+2^k+3^k+・・・+(p−1)^k
がpで割り切れることが示されています.すなわち,
1+1/2^k+1/3^k+・・・+1/(p−1)^k=0 (mod p)
1+2^k+3^k+・・・+(p−1)^k=0 (mod p)
ですが,(その28)では
1+1/2^k+1/3^k+・・・+1/(p−1)^k
=1+2^k+3^k+・・・+(p−1)^k (mod p)
であることを証明なしに用いました.
これは,
1=1,1/2^k=2^k,1/3^3=3^k,・・・,1/(p−1)^k=(p−1)^k (mod p)
という意味ではありません.各逆数1/1,1/2^k,・・・,1/(p−1)^k (mod p)は,すべての剰余1,2^k,・・・,(p−1)^k (mod p)をきっかり1回だけ覆うという意味で,再配列によって
1+1/2^k+1/3^k+・・・+1/(p−1)^k
=1+2^k+3^k+・・・+(p−1)^k (mod p)
となるのです.
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