■4次元正多胞体による空間充填(その2)

 (その1)に関する一松信先生のコメントです.

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 胞の間の角の和が360°になることは充填形の必要条件ですが,十分条件とは限りません。たとえば,4次元空間で正5胞体,正16胞体,正600胞体とすべて正四面体でできている3個の正多胞体の胞の間の角の和は360°ですが,充填形はできません.それは正600胞体が5回回転対称性をもち,古典的結晶学の充填群と合わないせいです.

 ただし,近年発見された準結晶のような5方回転対称の大局性をもつ構造があるかもしれません.4次元空間は直観がきかないので,何ともこれ以上申し上げられません.

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