算額については,英語版の算額の解説書が日本語版より先に出版されている.算額の内容は複雑な図形の面積の計算などが多い.また,日本の受験数学の問題は算額に描かれているものと似たものが多い.
今回取り上げる「小学生の算数問題」もどことなく算額の問題に似ている.厳密にいうと小学校では教えないはずの「ピタゴラスの定理」や逆三角関数が必要になり,こんな問題を小学生にやらせて良いのかどうかと思った.もっと簡単なやり方はないものか(阪本ひろむ氏談).
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[Q]AF=BF=DF=60,EF=ED=30のとき,黄色と赤の面積の和を求めよ.
[A]∠FBEは30度,∠BFEは60度(逆三角関数の知識が必要).BE=30√3.
BDE=扇形BDF−△BEF=−450√3+600π
AGE=長方形−△BEF−扇形ABF=1800−450√3−300π
BDE+AGE=1800−900√3−300π=1183.63
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[雑感]阪本氏が算数を教えていた折り,問題集の解答が間違っているのを見つけて,いろいろ計算してみたとの由.問題集の答えは扇形ADFの面積−30×60.
HPに載せるほどの問題かどうか迷ったが,この問題は中学入試の問題であるそうだ.どうも最近の算数・数学のカリキュラムがわからない.ユークリッド幾何を教えないのは日本くらいではないかとも思う.
算額の問題で記憶があるのは,大きな円のなかに複数の円を内接させ,合計の面積を求めるなどであるが,中学入試の問題にはもっと「算額」的なものもある.つい最近までπ=3と教えていたというから,中学入試とのギャップは大きいに違いない.
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