(その2)(その4)において,正三角形と正方形でできるジョンソン立体24種類のなかで,展開図が平面充填可能となる候補としては(すでにシェパードが発見しているJ14,J15,J16,J1,J86以外に)J10,J50,J87,J88,J89,正三角形と正方形と正六角形でできるジョンソン立体8種類のなかで,展開図が平面充填可能となる候補としてJ55,J56があげられることを述べました.
これらはすべて正方形を1列に並べた帯と正三角形を1列に並べた帯を交互に配列した並べ方(3,3,3,4,4)から誘導した非一様タイルに基づいています.前者はそれに正三角形の平行な帯を挿入したもの,後者は正方形の帯を1本,正六角形と正三角形の組み合わせの帯を2本挿入したものになっています.
これらが本当にタイル貼り可能であるかどうかは実際に模型で確かめなければなりませんし,確かめてはじめてわかります.今回のコラムではタイル貼りを実際に構成してみることにします.
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[1]J1
[2]J86
[3]J50
タイルの幅は一定のものに限定されると思われるが,ついにシェパードが見逃したものを探し出すことができた.これだけ大騒ぎして探し出すことができたのはJ50だけであったからまさに大山鳴動してネズミ一匹である.しかし,どこから手をつけてよいやらわからなかったものをある程度系統的に探索した結果であるから満足することにしたい.
ただし,これらは私がいろいろ試した結果であって,すべての組み合わせについてしらみつぶしに検索したわけではないし,試行錯誤でそこまでやることは到底出来ない.私が見逃したものもきっとあるはずである.
[補]造形玩具「ポリドロン」には等しい長さの辺をもつ三角形・四角形・五角形・六角形の各辺に蝶番がついていて,この中の2つを組み合わせた面同士のなす角度を自由自在に動かすことができます.このような特長から正多面体模型や準正多面体模型を作ることができます.「ポリドロン」は東京書籍がその取り扱い店となっています.
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