■面正則多面体の展開図とシェパードの定理(その3)

 ジョンソン・ザルガラー立体のうち,正五角形,正八角形,正十角形を含むものはタイル貼り不可能であることが証明されています(シェパードの定理).

 (その2)では正三角形と正方形でできるジョンソン立体について考察しましたので,今回のコラムでは正六角形を含むョンソン立体9種類について調べてみますが,J92は正五角形も含んでいるのでNG,残りの8種類について考えることになります.その8種類はすべて正三角形と正方形と正六角形でできています.

===================================

【1】非一様タイル(三様タイル?)

 一様タイルにならないことはすでにわかっているので,正六角形を含む非一様タイルを構成することになります.正六角形を含む非一様タイルを構成するには,たとえば(3,3,3,4,4)は正方形の帯と正三角形の帯の平行な帯からなっていますから,それらの帯の間に正六角形と正三角形の組み合わせの帯を挿入する作り方があります.また,カゴメ格子(3,6,3,6)は正六角形と正三角形の組み合わせの帯からなっていますから,それらの帯の間に正方形の帯,正三角形の帯を挿入する作り方があります.

[1]T型

 前者では(正三角形:正方形:正六角形=4:2:0),(6:2:1),(8,2,2),(10,2,3)・・・.一般に(4+2n,2,n)と変化しますが,この基本領域に一致するジョンソン立体は存在しません.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

[2]K型

 カゴメ格子という名は国際的に通用するので,K型と称することにしますが,まず正方形の帯を挿入すると(正三角形:正方形:正六角形=2,0,1),(2,2,1),(2,4,1),(2,6,1)・・・,そこに正三角形の帯を挿入すると(正三角形:正方形:正六角形=6:0:1),(6,2,1),(6,4,1),(6,6,1)・・・.一般に(2+4i,2j,1)と変化しますが,この基本領域に一致するジョンソン立体も存在しません.

===================================

【2】まとめ

 こうして正六角形を含むジョンソン立体もタイル貼り不可能であることが予想されます.

===================================