中川宏さんにソリッドなGIの木工模型を作ってもらうことになったのだが,凹デルタ20面体の設計図も必要となるとのこと.計算してみるとおもしろいことがわかったので紹介したい.
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【1】凹デルタ20面体の木工製作
凹デルタ20面体を作るための手順は
[1]正20面体の核を作る
[2]三角錐のとげを20個貼り付ける
[3]隣り合うとげの頂点と三角錐の底辺を結ぶ三角錐で隙間を埋める
この次に,(その1)で説明した5つのひだがついた帽子を12個のすり鉢に貼り付けると大二十面体になる.
このとき,
d=(√5−1)/2
とすると,核となる正20面体の三角面の頂点の座標は
A(0,d^3,d^4)
B(−d^4,0,d^3)
C(d^4,0,d^3)
と表される.
すなわち,この核は,最初の正20面体
A(0,1,d)
B(−d,0,1)
C(d,0,1)
のd^3倍の大きさであることがわかる.これらの座標をもとにして,工作に必要な数値を簡単にはじきだすことができる.
[2]で貼り付ける三角錐は底面が正三角形,側面が頂角36°の二等辺三角形からなる.したがって[2]では星形大12面体ができあがり,そこに[3]の楔形を30個埋め込むと凹デルタ20面体を作ることができる.さらに5つのひだがついた帽子を付け加えると大二十面体になる.
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