■良い配置(その8)

 次数nのラテン方陣は存在するが,どのようなnに対して直交する2つのラテン方陣が存在するであろうか?

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【1】オイラー予想の否定的解決

[1]nが奇数のときおよび4の倍数のとき,存在する

[2]n=2のとき,存在しない.

 オイラーはn=6のとき(36士官問題)を研究し,

[3]n=6のとき,存在しない

[4]n=4k+2のとき,存在しない

と予想した(1782年).

 [3]についてはフランスのタリーによって,虱潰し的に調べられ,不可能であることが肯定的に証明された(1900年).

 [4]については1960年になって,ボーズ,シュリカンデ,パーカーによって,n=2,6を除くすべてのn=4k+2≧10に対して,否定的に解決された.

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【2】未解決問題

  次に問題になるのは,互いに直交するn次ラテン方陣の個数N(n)の決定である.n=2,6を除いて

  2≦N(n)≦n−1

であるか,

  N(n)=n−1

のものの存在しついては,位数nの射影平面(あるいはアフィン平面)の存在値同値である.

 たとえば,

  2≦N(10)≦9でなく,N(10)≦8であることはわかっているが,3≦かどうかは未解決である.

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