■相転移モデル(その12)

【1】シェルピンスキーの三角形とパスカルの三角形

 係数が奇数である場合にそのセルを黒くするとセルオートマトンの規則90

  Ci(t+1)=Ci-1(t)+Ci+1(t)  (mod2)

で与えられるようなネスト型の三角形パターンを生成する.このパターンはシェルピンスキーの三角形と呼ばれるモザイク模様である.

 シェルピンスキーの三角形では1回毎に面積は3/4になるから,n回では

  (3/4)^n

つまり0に向かうのである.パスカルの三角形に関していえば,三角形のほとんどすべての数は偶数であるということになる.

 シェルピンスキーがこの三角形を発見したのは1915年で,シェルピンスキーの三角形のフラクタル次元は

  log3/log2=1.585

であった.この事実は,パスカルの三角形にはまだ新たな発見があり得ることを示している.

 係数が3で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,係数が4で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,係数が5で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,・・・という作業を続けてた場合も左右対称なモザイク模様が現れる.

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