■ビリヤード問題(その8)
(その6)(その7)を補足しておきたい.
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(その6)
球の経路長はm,nの最小公倍数となることがわかる.たとえば(m,n)=(6,9)の場合の経路長は18である.
逆にいうと,無理数たとえば(m,n)=(√70,6)の場合,公倍数は存在しないから経路は永遠に続くことになる.そして,軌道が領域を稠密に埋め尽くす(エルゴード的).
稠密に埋め尽くすとはいっても,通過しない点は存在しないということではなく,通過しない点は無数に存在するのである.
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(その7)
直方体の外側にリボンを巻き付ける問題を考える.(l,m,n)のどれかが無理数のとき,経路は永遠に続くことになるように思える.しかし,実際はそうはならない.
[1](l,m,n)=(√2,π,e)のとき,(0,0,0)からスタートとして,底面の(√2,√2,0)を通る場合は(0,0,0)に戻る.
[2](l,m,n)=(√2,e,π)のとき,(0,0,0)からスタートとして,底面の(√2,√2,0)を通る場合は経路は永遠に続く.(とはいっても,直方体の外側を稠密に埋め尽くすのではなく,直方体に一部だけを通るのである.
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[参]ジム・ヘンリー「おいしい数学」岩波書店
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