■ビリヤード問題(その6)

[Q]縦横が整数比(m:n)の長方形のビリヤード台がある.1つの隅(0,0)から球を45°の角度で打ち出すと,何回か跳ね返ってから4隅のうちの1つに達する.このときの経路長は?

[A]この問題に対する基本的な考え方は,球を反射させる代わりに,ビリヤード台の鏡像を枠の外に作ってやるというものである.すなわち,軌道自体を折り曲げる代わりに衝突するたびに衝突した辺を軸に,ビリラード台自身をひっくり返すのである.

 このような図形を鏡像群と呼べば,鏡像群を貫く直線がビリヤード球の軌跡に対応し,球の折れ線の路は直線で置き換えられる.

 球の経路長はm,nの最小公倍数となることがわかる.たとえば(m,n)=(6,9)の場合の経路長は18である.

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 一般の長方形ビリヤードの周期性について考えると,長方形ビリヤードが周期的になるための条件は軌道方向(tanθ)が有理数であることである.軌道方向が無理数の場合,軌道は非周期的となり,軌道が領域を稠密に埋め尽くす(エルゴード的).それに対し,周期軌道では軌道が領域を埋め尽くすことはない.軌道は無数に考えられるが,非周期軌道は周期軌道よりも圧倒的に多数を占めるのである.

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