■分割数(その10)

【1】ラマヌジャンの分割関数

  g(x)=xΠ(1−x^k)^24=Στ(n)x^n

 係数τ(n)は乗法的性質,すなわち,(n,n’)=1ならば

  τ(n,n’)=τ(n)τ(n’)

が成り立つ.

 mod7,23,691との大変よい関係もある.

[1]n=7m+0,3,5,6のとき,

  τ(n)=0  (mod7)

[2]kが23の平方非剰余のとき,

  τ(23n+k)=0  (mod23)

[3]nの約数の11乗の和をσ11(n)とすると,

  τ(n)=σ11(n)  (mod691)

 係数τ(n)のおよその大きさを決めるのは難しい問題のひとつであったが,  |τ(p)|<2p^11/2

であることをラマヌジャンが予想し,1973年にドリーニュがそれを証明した.

===================================

 1919年,ラマヌジャンは

  A(z)=Π(1−z^k)^4

についても研究している.

[1]すべての整数j,kについて和をとると

 [z^n]A(z)=Σ(−1)^j+k(2k+1){3j^2+j+k^2+k=2n}

 n=4(mod5)のとき,値の計算に寄与するのは

  j=4(mod5) かつ k=2(mod5)

このとき(2k+1)=0(mod5)→したがって,

  n=4(mod5)のとき,p(n)=0 (mod5)

すなわち,p(n)は5の倍数である.

 同様の証明から

[2]n=5(mod7)のとき,p(n)=0 (mod7)

すなわち,p(n)は7の倍数である.

[3]n=6(mod11)のとき,p(n)=0 (mod11)

すなわち,p(n)は11の倍数である.

===================================