■三角形分割と彩色多項式(その7)

 頂点の数がnのグラフの頂点をλ色で塗り分けることを考える.ただし隣り合う頂点は異なる色を塗るものとする.

 可能な塗り分けの総数はn次多項式として表されることを,バーコフが示した.この多項式P(λ)を彩色多項式という.タットは三角形分割された平面グラフのどの彩色多項式も,φ^2=2.1618・・・に近い根をもつことを示した.より正確には,

  P(φ^2)<φ^(5-n)

が成り立つ.

 たとえば,x^3−5x^2+6x−1=0のひとつの根は3.2469・・・であり,三角形分割された平面グラフの彩色多項式のある根はこの値に近い根をもつことが確かめられる.3.2469・・・は後述する7番目のベラハ数であり,銀の比とも呼ばれる.φ^2=2.1618・・・が黄金比と関係しているからであろう.

 なお,三角形分割されたどの平面グラフも次数が3か4か5の頂点をもつ.

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【1】ベラハ数

  Ben=2+2cos(2π/n)  n=1,2,・・・

具体的に書くと,

  4,0,1,2,2.618・・・,3,3.2469・・・

 これらは三角形分割された平面グラフの彩色多項式の根と関係がある.

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