■互いに素となる整数
有名な整数論の結果から,1/ζ(s)はs個の整数を勝手に選んだとき,同時に割り切ることのできる1でない数が存在しない確率となります.したがって,ランダムに選んだ2つの整数が互いに素である確率は1/ζ(2)=6/π^2 (61%)となります.60%以上の確率で互いに素となるというわけです.
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【1】ディリクレの定理(1849年)
2つの無作為に選んだ整数が互いに素である確率は1/ζ(2)=6/π2 (61%)となることを説明もなしに述べましたが,ここで解説することにします.
1つの数が素数pi によって割り切れる確率は1/pi ,両方の数が同じ素数で割り切れる確率は1/pi^2になります.2つの数がどちらもpi で割り切れない確率は1−1/pi^2ですから,互いに素である確率は
Π(1−1/pi^2).
ここで,Π1/(1−1/pi^2)=Π(1+1/pi^2+1/pi^4+・・・)=Σ1/n^2 =ζ(2)
したがって,2つの整数が互いに素である確率は1/ζ(2)=6/π^2 (0.608),同様にして3つの整数が互いに素である確率は1/ζ(3)=0.832,4つの整数が互いに素である確率は1/ζ(4)=90/π^4 (0.9239)を得ることができます.
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