■日曜日が3年(その2)
私が数学を始めたのは35才のときだった.以来,平日・休日に関係なく,年中無休で愚直に数学に時間を費やしてきた.日曜日だけでも3年が経ったことになる.
2008年だったか2009年だったか記憶は定かではないが,高次元多面体についてのある公式を発見した.それをロシア人数学者・ドルビリン先生に披露したところ,彼はその意義を直ちに理解し「お前は天才だ」を叫んてくれた.もちろんリップサービスであろうが,幾何学の本場であるロシアにおいても高次元幾何学を専門としている研究者はいないという.高次元空間は直観が効かないからであろう.
実のところ,そのとき発見した高次元多面体公式は不完全なもので,公式があてはまるものとあてはまらないものが50:50であった.公式を完全なものにするまで,さらに2〜3年の歳月を要した.いまはさらなる発展形が得られていて,これまでわからなかったことが簡単に計算できるようになっている.
今年の国際学会でこれまでの研究成果を発表しようと思っている.ドルビリン先生も学会に招待されるはずであるが,あいにく彼は病床に伏せっているらしい.難しいかもしれないが,それでも病状が許せば参加してくれると思う.できれば彼の前で発表したいので,いまは彼の回復を祈るしかない.
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