■図形数の問題

 図形数とは,その個数の点をそれぞれの幾何学的図形の配置に並べられる整数である.

 三角数=Σk=n(n+1)/2=(n+1,2)

 四角数=n^2

 正四面体数=Σ(三角数)=n(n+1)(n+2)/6=(n+2,3)

 正四角錐数=Σ(四角数)=n(n+1)(2n+1)/6

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【1】ガードナーの問題

 ガードナーはこれらから生ずる6対が互いに等しいものを問題とした.三角数=四角錐数以外はすべて解かれている.三角数=四角錐数の問題は,楕円曲線

  3(2y+1)^2=8x^3+12x^2+4x+3

に帰着されるが,解はx=−1,0,1,5,6,85ですべてであるのかどうかは未解決である.

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【2】リュカの問題(四角錐数=四角数の問題)

  1^2+2^2+3^2+・・・+24^2=24(24+1)(2・24+1)/6=70^2

は,最初の24個の平方数の合計が平方数になっているという面白い式です.驚異的ですらあります.

 級数の公式:Σk^2=n(n+1)(2n+1)/6をご存じの方も多いでしょうが,1からnまでの平方の和が平方数となるのはnが1か24の場合しかありません.四角錐数=四角数あるいは25平方の等式ともいうべきこの等式はリュカの問題(1873年)として知られています.

 y^2=x(x+1)(2x+1)/6の唯一自明でない整数解は(24,70)で,それ以外の自明な解がないことは楕円関数やペル方程式を使って証明されています.すなわち,1より大きい数でこれが起こるのは24だけで,それ以外の数では決して最初の2個の平方の和は平方数にはならないのです.

 この等式は辺の長さが相続く整数列1,2,・・・,24の正方形を1辺の長さ70の正方形の中に詰め込める可能性があることを示唆しています.それでは,実際に,70×70の正方形を辺が1から24の相続く正方形によって埋めつくすことができるでしょうか.この問題の答えは否定的(不可能)です.1辺の長さ7の正方形を除くすべての正方形は詰め込めるのですが・・・.それならば,無駄な空間の割合を最小にして,辺の長さが1,2,・・・,nの正方形を全て詰め込むことができる最小の正方形の辺の長さはいくつでしょうか.また,相続く整数辺の正方形を使って長方形を充填できるでしょうか.

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【3】モーデルの問題

  y^2=(x,0)+(x,1)+(x,2)+(x,3)

も楕円曲線

  6y^2=(x+1)(x^2−x+6)

に帰着され,整数解は有限個ですが,この方程式の解はx=−1,0,2,7,15,74,767ですべてであることが示されています.  

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【4】シェルピンスキーの問題

 (x,3)+(y,3)=(z,3)は2つの四面体数を足してまた四面体数になることがあるかという問題です.シェルピンスキーはこれを満たす正の整数は無限にあることを証明しました.最も単純な解は(x,y,z)=(10,15,17)です.

 また,

 (x,3)+(y,3)=2(z,3)は等差数列をなす3つの四面体数の問題です.シェルピンスキーはこのディオファントス方程式にも正の整数解が無限にあることを証明しました.最も単純な解は(x,y,z)=(6,12,10)です.

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【5】ガウスの円問題

 原点を中心とした半径rの円の内部(境界を含む)にある整数点の個数をR(r)で表す.R(r)は円の面積の推定値を与える.

 ガウスは

  |R(r)−πr^2|<cr

を示したが,

  |R(r)−πr^2|<cr^k

となるkの最小値を求める問題に一般化される.

 シェルピンスキーはk≦2/3を証明し,ガウスのk=1を大きく改善した.1963年に陳景潤はk≦24/37を,1990年にハクスリーはk≦46/73を得たが,シェルピンスキーの成果からほんのわずかしか進んでいない.

 k=1/2と予想されている.同じ問題を3次元球についても考えることができる.

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