■合同数の話(その3)
【1】合同数と楕円曲線
2つの方程式をかけると
(zwx/y^3)^2=(x^2/y^2)^3−A^2(x^2/y^2)
を得る.
合同数問題における整数Aの性質と楕円曲線:
y^2=x^3−A^2x=x(x+A)(x−A)
Aは合同数←→y^2=x^3−A^2xは無限個の有理点をもつ
との関連については
J.S.Chahal「数論入門講義」共立出版
などを参照していただきたいのであるが,わかっていることをまとめると,
[1]Aが分離的数の場合,
A=1,A=2→自明解のみ
A=3(mod8)→自明解のみ
A=5,6,7(mod8)→非自明解がある
A=1,2(mod8)→どちらの場合もある
Aが分離的とはp^2|Aなる素数pがないこと,すなわち,A=±p1p2・・・pn,pi≠pjと因数分解されることである(A=±1は分離的,A=1は平方数であり分離的数である唯一の整数).
k=5,6,7(mod8)→非自明解がある
という予想は,BSD予想からも自然にでてくるものであるという.
[2]非自明解がある場合,
Ac^2=ab(a^2−b^2) (a,b)=1,a≠b(mod2)
を満足するa,b,cに対して,
x=(a^2+b^2,2c,a^2−b^2+2ab,a^2−b^2−2ab)
は非自明解を与える.
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