■高次元図形の理解のために(その3)

 3次元の多面体を回転させながら平面上に投影する.それは多角形の集合図形になるが,中心部にあるものほど歪みが少なく実際の形に近いが,周辺にいくほど扁平になり,やがて線分に退化し裏側に隠れる.

 4次元の多胞体を回転させながら3次元空間内に投影する.多面体の集合図形になるが,中心部にあるものほど歪みが少なく実際の形に近いが,周辺にいくほど扁平になり,やがて面に退化し裏側に隠れる.

 それを飛行機の形として表現したのが(その1)である.すなわち,北極から360機の飛行機が南極に向かって経線上を等速航行するとします.観測者が北極星からこれを見ていると,地球は円板に見え,飛行機は次第に全長が縮まり,赤道上空では機体長さは0になってしまいます.しかし,その間,機体の幅は一定に保たれます.地球が透明であれば,その後は機体の長さは回復していき,機種が中心に向いてきます.北半球上の点と南半球上の点は同一の点とみなされます.

 それをバネにして,4次元でも思考的類推を行うと,前記の如く,「脳のなかで,投影図の中心を北極,投影図の内部を北半球,表面を赤道,ここまでは膨張してきましたがこれからは収縮に転じて,内部を南半球,最後は投影図の中心を南極というように再構成しなければなりません」となるわけです.

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