■2のない世界
素数とは,1とそれ自身でのみ割り切れる数である.1は素数とはみなされない.2は素数であるが,最も風変わりな素数である.素数のなかで唯一偶数であるからである.そこで,素数2が存在しない数体系について思考実験してみよう.
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3は素数である.1とそれ自身でのみ割り切れるからである.
4は素数である.1とそれ自身でのみ割り切れるからである.(かつては2で割り切れていたが,2はもはや存在しない)
5は素数である.1とそれ自身でのみ割り切れるからである.(かつては素数であった数は,この数体系においても素数であり続ける)
6は素数である.もはや3では割り切れないからである.
7はまだ素数である.8は新たに素数となる.しかし,9は素数ではない.10も新たな素数となる.・・・すると奇妙なことが起こってしまう.素数の一意分解性が成り立たなくなるのである.
たとえば,2のない世界では3,4,6,8はみんな素数であるが,
24=3×8=4×6
となって,数の重要な基本法則が無効になってしまうのである.
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