■誕生日のパラドックス(その5)
特定の人を選び,その人と誰かの誕生日が一致する確率は確かに小さい(1/365).30人の集団の中で一致する確率はすこぶる小さいけど,このことと「30人の中の誰かと誰かが一致する」こととはまるで違う.「同じ誕生日の組が存在する確率」と「自分と同じ誕生日の人がいる確率」を混同してはならないのである.
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「同じ誕生日の組が存在する確率」
構成員が23人と越えるあたりで一致する確率が50%を越える.たとえば,サッカーの試合(プレーヤー22人とレフェリー1人)では「同じ誕生日の組が存在する確率」は50%以上である.30人もいようものなら70%位の確率になる(ラグビーの試合).まして,40人,50人ならばさらに高い.構成員3〜40人の職場を想定したとき,誕生日の一致する確率はまずいるものと考えたほうが妥当である.
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「自分と同じ誕生日の人がいる確率」
[Q]自分の誕生日のパーティーに大勢の人を招待することにする.自分の誕生日がそのうちのひとりと同じのなる確率が50%を超えるには何人招けばよいか?
[A]ひとりの誕生日が自分の誕生日と同じにならない確率は364/365.n人の客がいて,すべて自分の誕生日と同じにならない確率は(364/365)^n.
自分の誕生日と同じ人がひとりはいる確率は
1−(364/365)^n>0.5
より,n>253.この数は直観的な値365/2=180よりかなり大きい.
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